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母のこと

母は2016年の10月末に、すい臓がんで亡くなりました。

3年ほど前に、すい臓がんが初期で見つかり
摘出手術を受けたのですが、
いくら初期でも、すい臓ガンは手術後の生存率が低いのです。
手術後3年の生存率は3割程。
5年になると1割にも満たないそうです。

後半の半年は、通院で抗がん剤治療を受けていましたが、
手術してからの3年間は、自宅で普通に生活していました。

体調が悪くなってきたのは、2016年の9月になってから。
大学病院で抗がん剤治療を受けていたのですが、
主治医に呼ばれ、話しを聞くと
『これ以上は体力的に、抗がん剤はできない』と言われました。

大学病院の相談室で、スタッフと一緒にホスピスを探し入院。

この時は、先がもう長くないと分かってはいたけど、
6ヵ月から3ヵ月の猶予はあるだろうと思ってました。

ホスピスでの母は、食欲は落ちているものの普通に元気。
病院内を一人で散歩したりしていたそうです。

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病室のあるロビーのベンチに、鎮座している猫のぬいぐるみ。

変化が出てきたのは、入院して約2週間後。
食欲は極端に落ち、ベッドに横になっていることが多くなりました。
そして、軽く腹部に痛みを感じるようになったようです。

ホスピスに入院した際に、主治医と話しをしていて、
点滴などの無理な栄養補給は、身体の負担になるので
積極的には行わず、痛みやしんどさだけを取り除くことだけにしようと。

だからちょっとでも痛みを感じると、コールボタンを押して、
看護師を呼び、痛み止めの粉薬を飲ましてもらう。
すると5分で効くらしく。
『あ~もう痛み消えたわ、うん平気』と言う母。

薬が効くと眠くなるらしく、ウトウトとし始める。
起きている時は幻覚が見えるそうです。

医師いわく、
食事を取らないので栄養不足からくる幻覚です。
亡くなる人間には、みんな見えるそうです。


で、母になにが(どんな幻覚見)えるの?と聞くと。
『本物のジュリちゃんは、ここだってわかるんだけど、
 その横と後ろにもいるのよ。
 一人はね、首から上がないの。』
おいおい、首から上がない私が見えるって怖いな!

『後はね、白いワンピースが上下に動いて見えたりするのよ』
それも怖いな!
なんか楽しい幻覚は見えないの?と聞くと、

『あ~私の母、アナタのおばあちゃんがいる時あるわよ』
ふ~ん・・・それ微妙だね。

この幻覚も、薬の投与ですぐに見えなくなったようですが、
母と幻覚の話しをする貴重な経験でした。


入院して3週間、母は眠っていることが多くなりました。
そして、最後は家族に見守れて、眠るように亡くなりました。


で、大変なのはここから。
家族って悲しんでいる暇ないのな!

すぐに葬儀屋と相談し、通夜告別式の段取り。
母が亡くなったことを手分けして電話で知らせる。
自宅に戻った母を見舞う、近所の人の対応。
遺影選び。
遺影ね、自分でどれがいいって選んでおいた方がいいよ!

通夜葬儀が終われば、いろいろな手続き。
どこに何があるか分からないので、いろいろ出てきて大変。

年会費払っているクレジットカードが4枚出てきた時は、
おいおい、騙されて持たされてんじゃないの?と思いましたよ。

そして父も知らない、生命保険。しかも2社出てきたんだよね。

そうだ、四十九日までに仏壇買わないと!
四十九日の段取りもだ!

あれやこれやと、仕事が休みの時はやることがいっぱい。
もう本当に大変だった。
父は、母が亡くなって気落ちして何もできないし、
兄貴は段取りを付けるだけ。
結局、動き回るのは私になるんだよね。

あっちょっと愚痴になっちゃった。


仏壇はね、モダンなのを選んだんだ。
仏壇選びって、洋服のトータルコーディネートみたいですね。
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洋服に靴にバックにアクセサリーって感じで、
仏壇本体選びに、位牌はどのタイプでどの色にするか。
仏具はどんなのがいいか、りんやりん棒選びもあって大変。
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通夜告別式の時もだけど、仏具なども宗教や宗派でちょっとづつ違うのね。

そんなこんなで、後はお墓を買うだけになりました。
でも、お墓選びも大変。
どこにする?墓石タイプにする?ロッカータイプにする?

兄貴は意外と古い考えで、ちゃんと墓地を墓石を!と言うが、
私は行きやすく天気に影響されない、ロッカータイプがいいと言い、
父は行きやすい所なら、なんでもいいと言う。

母がいれば、『これにするわよ!』と一言でまとめてくれるのにな。



母は、思ってたより早い年齢で亡くなってしまったけど、
葬儀の時に思ったんです。

沢山の人に見送られて、それはよかったのかな?と。
親戚や近所の人、友達など沢山の人が来てくれました。

そして最後は、棺の中を花で満たす。
ユリに胡蝶蘭にと豪華な花のベッドに横になって、静かに去って行きました。

私にとって母は、
親でもあったけど、親友でもあったなと。
なんでも話せる人が、いなくなってしまいました。




    

by jyuri-woman | 2017-01-04 17:06 | 雑多いろいろ  

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